福岡地域戦略推進協議会(以下FDC)は、ヘルシンキ都市圏と福岡の組織・事業者間の友好関係と連携を深め、ビジネス機会や事業を創出することを目的に、2019年よりフィンランドの官民連携組織Helsinki Partners(ヘルシンキパートナーズ)と連携協定を締結し、情報交換や共同プロジェクトの推進など様々な活動を進めてきました。
10月10日(木)、この連携事業の一環としてHelsinki Partnersを福岡にお招きし、福岡市とともに開催するスタートアップイベント『RAMEN TECH』のプログラムとしてトークセッション「先進的な欧州のエコシステムから学ぶイノベーションのヒント!〜九州をいかにアップデートするか?〜」を開催。モデレーターとしてFDC今井真奈美 事務局長補佐が登壇しました。
セッション開催にあたって、福岡市経済観光文化局創業推進部石長史康グローバルスタートアップ推進担当係長が登壇。福岡市のグローバルスタートアップの現在地として「福岡市内のスタートアップはより高さを出していくフェーズに入っており、海外に向けて発信し、海外を目指すスタートアップを増やすとともに、『スタートアップビザ(外国人創業活動促進事業)』などで海外スタートアップの誘致に取り組んでいる」と挨拶しました。
登壇者の発言要旨は以下のとおりです。
●Helsinki Partners シニアアドバイザー Sonja Malin様
●Helsinki Partners シニアアドバイザー Panu Maulaheimo様
・人口は福岡県程度だがユニコーンが数多く生まれている。理由としては初めからグローバル展開を見据えているところ、ヒエラルキーがなく意思決定者にリーチしやすく連携が生まれやすいところがある
・フィンランドは、ワークライフバランスや生活の質が世界トップクラスで、優れた人材へのアクセスも可能、人口当たりのユニコーン企業数が多く、投資リターンが高いことも特徴。日本企業との協業や欧州市場進出の足掛かりとして、フィンランドには大きな可能性がある
● Nordic Ninja VCマネージングパートナー 宗原智策様
・欧州のスタートアップエコシステムは、シリコンバレーに次ぐ規模で急速に発展していて、日本企業との協業の可能性は非常に高く、その橋渡し役を積極的に担いたい
・シリコンバレーやイスラエルなどと比較して大企業との連携事例が多く、起業家も大企業経験者が多く協業が行いやすい
・欧州はEUといっても言語も商習慣も違い単一市場ではない。単一市場である日本は、欧州企業や投資家にとって魅力的である
・欧州で7年VCを運営した経験から感じることは、「国」「地域」「欧州」など大きな主語より、各都市ごとの勝負になっているようだ
・フィンランドは人口550万人。隣国エストニアは130万人。福岡市は160万人。
・まずは主語を小さく。福岡でエコシステムをつくりロールモデルができていくと日本全体が変わっていくのではないか
● 株式会社キューデン・インターナショナル イノベーション室長 荒木敏郎様
・100件Nordic Ninjaから紹介を受け、現在4件進行中。社内外メンバーの心を掴む具体事例を一つでも生み出せるよう健闘している
・新規事業開発では現場との連携が重要。課題は現場にあることが多く何かを変えたいと思っている人が多い。現場をリスペクトし丁寧に海外のイノベーションの理解を深めていくコミュニケーションを大切にしている
・キューデンインターナショナルは、Nordic Ninja VCとの連携を通じて欧州のスタートアップと協業し、九州の持続的な発展に貢献したいと考えている
・海外のエコシステムから生まれたものから学び日本らしい変革の形へ融合させていく事が新しい価値づくりの一つの手段と考えており、分野・業界を越えて応用していく事で九州全体の発展に繋がると信じている
■開催概要
RAMEN TECH内セッション
「先進的な欧州のエコシステムから学ぶイノベーションのヒント!〜九州をいかにアップデートするか?〜」
■登壇者
Nordic Ninja VCマネージングパートナー 宗原智策様
株式会社キューデン・インターナショナル イノベーション室長 荒木敏郎様
Helsinki Partners シニアアドバイザー Sonja Malin様
Helsinki Partners シニアアドバイザー Panu Maulaheimo様
(挨拶)
福岡市経済観光文化局創業推進部グローバルスタートアップ推進担当係長 石長史康氏
(モデレーター)
福岡地域戦略推進協議会 事務局長補佐 今井 真奈美