福岡地域戦略推進協議会石丸修平事務局長は10月8日、福岡市にて開催された「生産性福岡フォーラム」（一般財団法人未来を創る財団主催）でのラウンドテーブルに登壇しました。
一般財団法人未来を創る財団は、現代をブレークスルーする諸課題への建設的意見を発信、議論を発展させ、超高齢化社会での発展をめざした提言を行う独立した第三者機関です。
これまで開催したフォーラムや生産性研究に関する取組をさらに発展させるため、全国各地で地域の実情をふまえた議論を進めていくことを計画しており、今回第一弾として「生産性福岡フォーラム」が開催されました。
柳瀬隆志嘉穂無線ホールディングス(株) 代表取締役社長らによる「生産性に向きあう地域の課題」をテーマにしたキートーク、ならびに地元経営者や有識者が「付加価値向上－その源泉となる人財投資」について議論を交わすラウンドテーブルという構成で行われ、FDC石丸修平事務局長はラウンドテーブルに登壇しました。
石丸修平事務局長の発言要旨は以下のとおりです。
- 福岡の産業構造は「卸売り、小売り、飲食などサービス業」、「インフラ系の大企業」、「支店経済」という特徴があり、中でも意思決定が東京でなされ、経済状況などに左右されてしまう支店に依存する脆弱性を克服することが課題であった
- 加えてサービス業は内需型産業であり、中長期的に人口が減少することが避けられない中、企業の持続可能性のためには「移出型産業への転換」など産業の革新が必要である
- イノベーションを生み出す世界の都市をベンチマークしていくと、新しい担い手を次々と生みだしていって、産業構造を中長期的に転換しながら、あるいは従来の産業とコラボレーションしながら全体を引き上げていくといった動きがあり、このような取り組みが必要になっている
- つまり、スタートアップなど新しい価値を生み出す地域であることが求められる
- このような都市になっていくためには、東京にないような福岡の良さ、生活の質の高さやコストの優位性などを更に高めていくことが大切だ
- 幸い、福岡には九州大学をはじめとして専門学校、高専など、将来の担い手を育てていくための教育環境も整っており、これらを活用しスタートアップの創出はもとより既存の担い手の生産性向上にも資するような新たな価値を生む取り組みへと広げていくことが求められる
- 一方で、DX(デジタルトランスフォーメーション)をどう浸透させていくかも大切な視点となる
- DXと言えば、新しいビジネスの進め方、効率化などが注目されているが、経営陣こそがDXの恩恵を享受できるのではないかと考える
- 従来のオペレーションやガバナンスの世界から状況を素早く察知し、感覚をキャッチアップしていくことが求められる中、経営陣がDXを駆使することで様々なデータや商流などが見えてくれば、自社状況やそれを取り巻く概況を明確に理解したうえで次なる一手が打てる
- つまり、デジタルを使って意思決定を行うことで、新規事業やプライシングが論理的に導かれ、生産性の向上へと結びつくと考える
尚、当日のプログラムは下記の通りです。
- はじめに「いまなぜ生産性か」
石坂 芳男 (一財)未来を創る財団 代表理事 - キートーク「生産性に向きあう地域の課題」
1 地域経済について
岡野 秀之 (公財) 九州経済調査協会 事業開発部長
2 地域における中小企業の課題
古賀 正博 (一社) 福岡中小企業経営者協会 常務理事
3 事業戦略における能力開発投資（仮題）
柳瀬 隆志 嘉穂無線ホールディングス(株) 代表取締役社長 - ラウンドテーブル「付加価値向上－その源泉となる人財投資」
司会（モデレータ）
磯山 友幸 千葉商科大学教授/ジャーナリスト
出席者
岡野 秀之 (公財) 九州経済調査協会 事業開発部長
古賀 正博 (一社) 福岡中小企業経営者協会 常務理事
柳瀬 隆志 嘉穂無線ホールディングス(株) 代表取締役社長
石丸 修平 福岡地域戦略推進協議会 事務局長
田中 洋之 株式会社山口油屋福太郎 代表取締役社長
浜崎 陽一郎 株式会社Fusic 取締役副社長
包行 良光 株式会社筑水キャニコム 代表取締役社長
酒口 昇 株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 人事統括部人財開発センター センター長
居石 知之 株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 営業統括部法人金融グループ 主任調査役
エリオット コンティ KCJ GROUP株式会社 事業開発本部 シニア・エキスパート
※下記にて、今回のフォーラム動画が配信されています
【動画配信】生産性福岡フォーラム | 一般財団法人未来を創る財団 (theoutlook-foundation.org)
