福岡市や福岡地域戦略推進協議会(FDC)などが参画する「Fukuoka Smart East推進コンソーシアム」は5月28日、九州大学箱崎キャンパス跡地(福岡市東区)で、自動航行のドローンによる配送の実証実験を実施しました。ドローンは操縦者の視界から外れた空間でもスムーズに稼働し、見学に訪れた地域住民を含む約100人からは熱心な視線が注がれました。
この事業は「Fukuoka Smart East」の取り組みの一環で、実証現場は住宅街に隣接する旧校舎が立ち並ぶ九大の敷地内。さまざまな電波が飛び交う都市部でドローンを操縦者の視界の外で飛行させる実証は、国内でも珍しい取り組みです。
実証実験は、約100m離れた地点にいる急病人に、ドローンがAEDを自動で届ける想定で行いました。担当者が操縦する配送ロボットから自動で飛び立ったドローンは、校舎の角を曲がって操縦者から見えなくなった後、地上に横たわる急病人に見立てた人形の近くに着陸し、AEDを届けることに成功しました。
終了後、実験を担った事業者と、見学者や報道陣との質疑応答では、地域住民などからドローンが運ぶことができる荷物の重量の上限や、自動航行の安全性、法規制の現状などについて積極的な質問が出て、関心の高さがうかがえました。
ドローンが自動航行する様子を実況した髙島宗一郎福岡市長は、見学者へのあいさつで「高齢化が進む中、安心して住み続けられる地域を実現しなければならない。その一助になるのが、ドローンなどのテクノロジーです」と期待を込めて話しました。