2017年の年頭にあたり、謹んでご挨拶申し上げます。
昨年は福岡地域戦略推進協議会(FDC)の活動に対し、ご理解と格別のご支援を賜り厚く御礼を申し上げます。
昨年は誰もが容易に想像し得ないビックニュースが世界中を駆け巡りました。その中でも、英国の欧州連合(EU)離脱、米国大統領選挙でトランプ氏の勝利は、今後の世界の不透明感を象徴する出来事でした。既に世界の金融・資本市場に大きな影響を与えていますが、世界経済の減速、格差の拡大と相まって、世界各国、各界のリーダーたちは難しい舵取りが求められています。
また、熊本地震を忘れるわけには行きません。二度にわたる大きな揺れは被災地に甚大な被害をもたらし、未だ多くの方がその影響から脱することができていません。FDCも、いち早く支援に乗り出した福岡市に寄り添い、迅速な情報提供に努めましたが、広域連携、官民連携による大震災への対応については、大きな課題を突きつけられました。
今我々の生きている世界は、刻一刻と変化を続けています。現在や過去をベースに容易に想像のできる未来は存在せず、日々世界のどこかでイノベーションが起こり、新たに生み出される製品やサービスが世界の常識や生活そのものを劇的に変えていきます。これらのイノベーションは、大震災を始めとする災害への対応や様々な社会課題の解決にも資するものでもあります。今後の予測できない未来に対応し、現在の政策課題に対応していくためには、常に新しいイノベーションをキャッチアップし、それを受け入れ社会に実装していくことができる施策立案と実施が求められます。
FDCは、2011年の設立から今年で6年が経ちます。2017年からは、これまで掲げてきた「2020年にGRP+2.8兆円、雇用+6万人、人口+7万人」というKPIを達成し、「東アジアのビジネスハブ」となるための総仕上げの3か年をスタートさせます。「事業化支援」、「広域展開」、「地域のグローバル化」を3本の柱とし、産学官民の強みを活かして最先端の技術開発やビジネスモデルを次々と生み出して行くとともに、社会実装につなげていきます。
実行するための抜本的な組織改革にも既に着手しています。これまでの基幹事業であった部会の改廃を行い、個別プロジェクトや事業コンソーシアム組成を中心とした運用体制の構築(Think→Doへの移行)を行います。また、新たな取り組みを柔軟に行うことができるよう事務局の充実を図るとともに、協議会会員の事業化支援を強化するべく新規事業創出促進を行うための機能を新たに位置づけます。この機能を活用し、スタートアップインキュベーションとビジネスディベロップメントを連携させたオープンイノベーション機能を新たに設置することで、他の地域にはないFDCの強みを最大限に活かした地域活性化及び地域産業形成を行って参ります。
2017年は「加速化」の年と位置付け、新たな「価値」を可視化して皆様にお届けするため、職員一同精一杯の努力を行ってまいります。一層のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2017年元旦 福岡地域戦略推進協議会 事務局長 石丸修平