2016年3月29日に開設された「福岡市スタートアップ人材マッチングセンター」の記念イベントとして行われたトークセッションにおいて、福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長石丸修平がモデレーターを務めました。
セッションには、竹中平蔵国家戦略特別区域諮問会議有識者議員、荻田伍日本経済団体連合会副会長、須藤憲司Kaizen Platform,Inc.CEO、藤原豊内閣府地方創生推進室次長、髙島宗一郎福岡市長が登壇。
まず、国家戦略特区の概要やスタートアップ企業と官民人材のマッチング機能を有する「福岡市スタートアップ人材マッチングセンター」の役割、ならびに今回新たに認められることになった国家公務員の退職金特例について藤原豊氏から説明がなされました。
国家公務員退職手当法の特例は、専門人材の流動化を促すことを目的に、国家公務員が退職してスタートアップ企業に就職し3年以内に元の官庁に復職した場合、退職金は継続して支払われる制度。
4月からは福岡市でも同様の制度が開始されることもあり、藤原豊氏は「国や地方の公務員と企業のマッチング、民間企業どうしのマッチング、雇用労働センターの役割など、このセンターの有する機能を活用していくことでスタートアップが促進されることを期待している」と語られました。
これに続いて、今回福岡市において国家公務員退職手当法の特例を活用する須藤憲司氏から「アメリカで業務を行う中から見えてきたのは、向こうでのスタートアップには多様性をもったトップクラスの人材が流れ込むバックグランドがあるということ。まさにこの人たちがイノベーションを促進していると痛感する。今回私の会社がこの退職金特例制度を活用することになったが、今後さらに行政と民間の行き来が当たり前のようになっていくことで、スタートアップは加速すると思っている」と強い思いを語られました。
続いて竹中平蔵氏から「人と人、人と企業、企業と技術の出会い、この新しい結合こそがイノベーションだ。新しい結合をこのスタートアプカフェから実現してほしい。福岡市が、国家戦略特区活用事例のショーケースになってほしい」との期待が示されました。また荻田伍氏からは「福岡市スタートアップ人材マッチングセンターは、人材の好循環を支える大変重要なインフラだと強く期待している。既存企業とスタートアップ企業との出会いの場づくりに経団連としても積極的に関わっていきたい」との意欲が示されるなど、センターの果たす役割や福岡市国家戦略特区に対する期待について議論が進みました。
最後に髙島宗一郎福岡市長から「スタートアップのモデルをつくること、そしてこの取り組みを全国に広げることが福岡市の役割だと認識している」との決意を表明いただき、セッションを終えました。
FDCは、今後とも福岡市国家戦略特区を活用した事業推進やスタートアップ支援に積極的に取り組んでまいります。